「もう、あなたに会う理由なんて、セックスしかない」
そんなふうに言われて、
ひどく胸が軋んだことを覚えています。
そういえば、いつの頃からか、もう眼が笑わない人になっていました。
あんなに無邪気で、好奇心にあふれて、
いたずらっ子みたいな眼でのぞきこんでくる人だったのに。
そのかわり、ベッドで何度も何度もカラダをひきつらせる人になっていました。
眼をつむって。
あらぬ方向に顔をそむけて。
時には、きつく閉じた瞼から涙をあふれさせながら・・・
セックスでイッたことがないと言っていた人なのに。
その最中も、ずっと眼を見開いていて、
ちょっとこちらが悲しくなるくらいニコニコしていた人なのに。
“君は人生の宝物”
そんな言葉も虚しく、その人は傷ついていました。
さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう
はるかなはるかな地の果てに 咲いている野の百合何だろう
さよならだけが人生ならば めぐりあう日は何だろう
やさしいやさしい夕焼と ふたりの愛は何だろう
さよならだけが人生ならば 建てたわが家は何だろう
さみしいさみしい平原に ともす灯りは何だろう
さよならだけが人生ならば 人生なんていりません
by 寺山修司
ちょうど今くらいの、桜が咲き始める季節に出会ったのでした。
まだまだ寒いんだけど、ときおりコートを暑く感じ始める季節。
不審者を見るような、その人の目つき・・・
あの春も、また来るこの春も、やっぱり宝物。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
な〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んて、2年ぶりに更新してみました!
アーカイブをさかのぼってみると、なんとブログ開設以来、足かけ12年。
おそるべし、年月・・・