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色好まざらん男はいとさうざうしく、玉のさかずきの底なき心地ぞすべき/『徒然草』吉田兼好
宝物

2016-03-08 Tue 02:39

「もう、あなたに会う理由なんて、セックスしかない」

そんなふうに言われて、
ひどく胸が軋んだことを覚えています。


そういえば、いつの頃からか、もう眼が笑わない人になっていました。
あんなに無邪気で、好奇心にあふれて、
いたずらっ子みたいな眼でのぞきこんでくる人だったのに。

そのかわり、ベッドで何度も何度もカラダをひきつらせる人になっていました。
眼をつむって。
あらぬ方向に顔をそむけて。
時には、きつく閉じた瞼から涙をあふれさせながら・・・

セックスでイッたことがないと言っていた人なのに。
その最中も、ずっと眼を見開いていて、
ちょっとこちらが悲しくなるくらいニコニコしていた人なのに。

“君は人生の宝物”
そんな言葉も虚しく、その人は傷ついていました。


さよならだけが人生ならば  また来る春は何だろう
はるかなはるかな地の果てに 咲いている野の百合何だろう
さよならだけが人生ならば  めぐりあう日は何だろう
やさしいやさしい夕焼と   ふたりの愛は何だろう
さよならだけが人生ならば  建てたわが家は何だろう
さみしいさみしい平原に   ともす灯りは何だろう
さよならだけが人生ならば  人生なんていりません

 by 寺山修司




ちょうど今くらいの、桜が咲き始める季節に出会ったのでした。
まだまだ寒いんだけど、ときおりコートを暑く感じ始める季節。
不審者を見るような、その人の目つき・・・

あの春も、また来るこの春も、やっぱり宝物。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

な〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んて、2年ぶりに更新してみました!

アーカイブをさかのぼってみると、なんとブログ開設以来、足かけ12年。

おそるべし、年月・・・


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